夢とわたしとムサビ通信

21歳。公務員。一人暮らし。武蔵野美術大学通信教育課程で学んでいます。夢は、絵本作家になること。

写真を見て描くということ

写真を見て描く人がいる。それはもう写真そのままに描く人。とてもリアルでどちらが写真か分からないくらいに描く人が、世の中には結構いっぱいいる。
それがよく分からない。絵にする必要があるのかぜんぜん分からない。そのまま描くなら、それだったら写真で充分じゃんって思っちゃう。
写実的な絵は、本物を見て描くべきだ。本物を見て描くことは、本物に立ち会った人にしかできない。本物に立ち会った人にしか見えないものを描かないと面白くない。
写真の中の自分が、髪がまっすぐだったとしても、服にシワが無かったとしても、肌がつるりとしていたとしても、たまたまその瞬間、そうだっただけ。本物のわたしは、窓から風が入ると前髪がうねるし、笑うと目尻にシワがよって頬が丸く膨れるし、化粧で描きたした眉毛はたまに崩れてまばらになってたり、タンクトップのシワは見る瞬間瞬間によって変化していたりする。そんな動きの中の素材感をすべて一枚に納めることは、写真にはできない。写真は、その瞬間しか納めることができない。でも、本物を見て描く絵は違う。まっすぐだけどよく見ると今にもうねりそうな髪、角度を変えて見るとむっちりつまっている感じがする頬、時間によって変わる眉や服の形、そういう様々な瞬間を汲み取ることができる。
指導書にはまるで写真をそのまま描いたようなデッサンが参考作品としてのっている。教科書にはそんなデッサンはひとつも見つからないのに。おかしいな。

描き始めて5時間。やっとあらかた全体の陰影がついたとこ。あと10時間。まだまだこれからだー
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